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空は何色?

 

何色の空が好きですか?

 

やっぱり青い空でしょうか。

かわいい雲が浮かんでいるのが

好きという人もいるかもしれません。

 

 

 

 

以前、講評をさせていただいた時に

とても印象的だったことがありました。

 

 

「この写真は空が白くてイマイチだから

こういう場合は撮らない方がいいのでしょうか」

 

という質問。

 

 

 

確かに。

どんな色の空が魅力的かと聞かれたら

私も青空だと答えるでしょう。

きっと、白い空が一番好き とは言わない。

 

 

 

 

ここで、私が以前経験したことをお伝えしました。

 

 

目の前に広がる海を撮ろうとカメラを向けてみたのですが

その日はあまりにも暗くどんよりとした天気。

海も灰色でした。

 

遠くに船が見えたので、そこにピントを合わせて

一枚だけ撮って終わり。

少しだけがっかりした気持ちもあったような。。

それさえもおぼろげな記憶です。

 

 

その後しばらくして、

海をテーマにしたフォトブックを作成することになった時

その写真を即、採用しました。

 

海ばかりを集めた一冊。

モノクロで撮ったみたいな色の海は

その本が持つ表情を豊かにしてくれました。

 

 

 

海は青色の日が圧倒的に多い。

でも毎日同じ色ではない。

 

365日のうち、様々な色を見せてくれるのに

自分の写真が全部きれいな青色だったとしたら、

それは逆に不自然だと思うようになりました。

 

 

 

 

青い空以外も好きになって、とは言わないけれど

お天気や空の色で一喜一憂するよりも

その日、自分の目に見えるいいところ探しをする方が

もっと楽しめるのでは?という提案をしてみました。

 

 

その後、返ってきた答えは。。

 

「モヤモヤが解決した気がする!!」

とのこと ^^

 

お友達と一緒に撮りに行ったりすると

青空じゃないから、とか

どんより暗くて。。という話になるので

空が青くないとだめなんだ!と

決めつけていたそうなんです。

 

その方はわんちゃんとの思い出を残したくて

写真を撮っているから、

これからは一期一会のお天気も一緒に

残していきたいと言っていました。

 

 

 

その日の空模様に対して

持つ感情はそれぞれでいいと思うのですが

自分の気持ちで写す、というところに立てたこと。

その価値がとても大きい。

 

写真には気持ちが写るから。

 

 

たとえ青空じゃなくてがっかりしたとしても

他の誰でもない、自分自身の心が感じて撮ると決めたものなら

まずそれは "自分の写真" になると思います。

 

 

 

 

写真に何かを加えたり作り込むアートを作る人、

自分がイメージしたものを狙って撮りに行くタイプの人は

その通りの空になってもらうことが大切なのかもしれませんね。

 

 

私はどう撮るかはその場で決めるので

正直、天気のことをあまり気にしません。

(灰色の海の経験もあり)

 

 

 

自分好みの空でないとしたら、

それをどう工夫するかと考える方が

おもしろいし楽しい。

 

 

空ではなく他のものに目を向けたからこそ

想定外の何かに出会うかもしれません。

 

そういう時の方が

思ってもみないものが撮れたりする。

 

何かに出会おうとする気持ちも写っているから。

 

 

 

 

 

 

〈 追記 〉

 

「モヤモヤが解決した気がする!」と言われ

泣きたくなるくらいうれしかったのです。

 

写真を教えたいと思ったことのない私が

フォトレッスンをやっている理由は

写真を撮るのに必要のない、このモヤモヤを取り除いて

"楽しい"だけを残すお手伝いならできそうだと思ったから。

参照→「教えるより、つなぐ

  

 

写真って楽しい!という人が増えて、

それに使った時間や、残した写真が

人生がより豊かなものになるためのツールになったらいいな。

そういう人が増えて、仲間と呼べる人がもっと増えたらいいな。

 

コツコツひとつひとつ、

自分にできることをやっていこうと思った瞬間でした。