![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=794x10000:format=jpg/path/sf083948174f69a4a/image/iccc129854415addc/version/1601023279/image.jpg)
何色の空が好きですか?
やっぱり青い空でしょうか。
かわいい雲が浮かんでいるのが
好きという人もいるかもしれません。
以前、講評をさせていただいた時に
とても印象的だったことがありました。
「この写真は空が白くてイマイチだから
こういう場合は撮らない方がいいのでしょうか」
という質問。
確かに。
どんな色の空が魅力的かと聞かれたら
私も青空だと答えるでしょう。
きっと、白い空が一番好き とは言わない。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=795x10000:format=jpg/path/sf083948174f69a4a/image/i32b0b0b0184b1ae5/version/1601023302/image.jpg)
ここで、私が以前経験したことをお伝えしました。
目の前に広がる海を撮ろうとカメラを向けてみたのですが
その日はあまりにも暗くどんよりとした天気。
海も灰色でした。
遠くに船が見えたので、そこにピントを合わせて
一枚だけ撮って終わり。
少しだけがっかりした気持ちもあったような。。
それさえもおぼろげな記憶です。
その後しばらくして、
海をテーマにしたフォトブックを作成することになった時
その写真を即、採用しました。
海ばかりを集めた一冊。
モノクロで撮ったみたいな色の海は
その本が持つ表情を豊かにしてくれました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=795x10000:format=jpg/path/sf083948174f69a4a/image/i23e1f8ef45a91a53/version/1601023309/image.jpg)
海は青色の日が圧倒的に多い。
でも毎日同じ色ではない。
365日のうち、様々な色を見せてくれるのに
自分の写真が全部きれいな青色だったとしたら、
それは逆に不自然だと思うようになりました。
青い空以外も好きになって、とは言わないけれど
お天気や空の色で一喜一憂するよりも
その日、自分の目に見えるいいところ探しをする方が
もっと楽しめるのでは?という提案をしてみました。
その後、返ってきた答えは。。
「モヤモヤが解決した気がする!!」
とのこと ^^
お友達と一緒に撮りに行ったりすると
青空じゃないから、とか
どんより暗くて。。という話になるので
空が青くないとだめなんだ!と
決めつけていたそうなんです。
その方はわんちゃんとの思い出を残したくて
写真を撮っているから、
これからは一期一会のお天気も一緒に
残していきたいと言っていました。
その日の空模様に対して
持つ感情はそれぞれでいいと思うのですが
自分の気持ちで写す、というところに立てたこと。
その価値がとても大きい。
写真には気持ちが写るから。
たとえ青空じゃなくてがっかりしたとしても
他の誰でもない、自分自身の心が感じて撮ると決めたものなら
まずそれは "自分の写真" になると思います。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=795x10000:format=jpg/path/sf083948174f69a4a/image/i1fbc3c0d59a6c807/version/1601023356/image.jpg)
写真に何かを加えたり作り込むアートを作る人、
自分がイメージしたものを狙って撮りに行くタイプの人は
その通りの空になってもらうことが大切なのかもしれませんね。
私はどう撮るかはその場で決めるので
正直、天気のことをあまり気にしません。
(灰色の海の経験もあり)
自分好みの空でないとしたら、
それをどう工夫するかと考える方が
おもしろいし楽しい。
空ではなく他のものに目を向けたからこそ
想定外の何かに出会うかもしれません。
そういう時の方が
思ってもみないものが撮れたりする。
何かに出会おうとする気持ちも写っているから。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=399x10000:format=jpg/path/sf083948174f69a4a/image/ia13b4e754655b8ea/version/1601023567/image.jpg)
〈 追記 〉
「モヤモヤが解決した気がする!」と言われ
泣きたくなるくらいうれしかったのです。
写真を教えたいと思ったことのない私が
フォトレッスンをやっている理由は
写真を撮るのに必要のない、このモヤモヤを取り除いて
"楽しい"だけを残すお手伝いならできそうだと思ったから。
参照→「教えるより、つなぐ」
写真って楽しい!という人が増えて、
それに使った時間や、残した写真が
人生がより豊かなものになるためのツールになったらいいな。
そういう人が増えて、仲間と呼べる人がもっと増えたらいいな。
コツコツひとつひとつ、
自分にできることをやっていこうと思った瞬間でした。